专利摘要:
薬物送達器具を製造する方法は、浸し塗りマンドレルの外面に下塗りを形成するステップと、下塗りの外面にタックコートを形成するステップと、顆粒状粒子をタックコートの少なくとも一部分に配置するステップと、形成されたタックコートに上塗りを形成するステップと、顆粒状粒子をタックコートと上塗りの間に捕捉するステップと、顆粒状粒子の一部を露出させるために上塗りの最外部分を取り除くステップと、を含んでいる。血液疾患を治療するためのシステムは、膨張管腔と、カテーテルに配置され且つ膨張管腔と流体連絡している薬物送達エラストマ器具と、薬物送達エラストマ器具の外層の内部に配置される複数の拡張可能な細孔と、複数の拡張可能な細孔の少なくとも一部の内部に配置される少なくとも1つの治療薬剤と、を含んでいる。
公开号:JP2011509146A
申请号:JP2010542246
申请日:2008-12-22
公开日:2011-03-24
发明作者:ディヴィッド ジョンソン
申请人:メドトロニック カルディオ ヴァスキュラー インコーポレイテッド;
IPC主号:A61F2-958
专利说明:

[0001] 本発明は、血管疾患の治療に関する。より詳細には、本発明は、薬物を血管プラークに隣接する組織へ送達するための、薬物が注入されたエラストマ器具を製造するための方法に関する。]
背景技術

[0002] 心臓疾患、特に冠動脈疾患は、米国及び他の先進工業国における死亡、障害、及び保健医療支出の主要な原因である。冠動脈疾患を治療するために数多くの方法及び装置が開発されており、そのいくつかは、特にアテローム性動脈硬化症や他の型の冠状動脈狭窄症に起因する合併症の治療用に設計されている。]
[0003] その様な血管疾患を治療するための1つの方法は、経皮的冠動脈形成術(PTCA)である。PTCAの間に、バルーンカテーテル装置は、狭窄血管を拡張させるために膨張される。狭窄症は、プラーク又は血栓の様な病変によって発生する場合がある。膨張時には、加圧されたバルーンは、病変に圧縮力を及ぼし、その結果、罹患血管の内径は大きくなる。血管内径が拡大することによって、血流の改善は、促進される。]
[0004] しかしながら、処置の直後に、かなりの割合の治療血管は再狭窄を起こす。この様な再狭窄を防止又は抑制するために様々な方法が、開発されている。1つの方法は、血管腔の拡大した内径を維持するためにステントの形で物理的な支持を提供することである。]
[0005] ステントは、標準的には、身体内腔の中へ埋め込まれた後に、血管又は他の解剖学的内腔の或る区分を開いた状態に保つために半径方向に拡張することができる円筒形状の装置である。拡張型及び自己拡張型ステントを含む、様々なタイプのステントが使用されている。拡張型ステントは、標準的には、バルーンカテーテル又は他の拡張可能な装置で治療される区域まで運ばれる。挿入するために、ステントは、送達器具に沿って、圧縮された構造で配置される。ステントは、送達器具の一部であるガイドワイヤの周囲に折り畳まれた又は他の方法で巻き付けられたバルーンの上に圧着される場合もある。ステントは、病変部に沿って配置された後、送達器具によって拡張される。自己拡張型ステントでは、シースが引き戻されることでステントの拡張を可能にする。]
[0006] ステントは、炎症、感染、血栓症、及び血管腔を閉塞する可能性のある細胞成長の増殖を防ぐのを助けるため、ステントの部位で、薬物又は他の治療上の作用薬剤を送達するために被覆された状態で使用されている。しかしながら、被覆されたステントは、ステントと接触する血管のその様な部分にしか薬物を送達することができない。狭窄は、ステントに沿った部分よりもステントの端部に隣接する組織においてより重大な問題である場合が多いので、ステントだけを用いた薬物送達は、完全に効果的ではない場合がある。]
[0007] 現在の薬物溶出ステント技術の1つの欠点は、薬物がポリマーと組み合わされている点である。その様な薬物が被覆されたステントでは、薬物とポリマーは、共通の溶液又は懸濁において組み合わされる必要があり、その結果、共通の溶媒を使用することが必要になる。更に、薬物が完全に溶出されると、ステントは、ステント材料それ自体よりも生体適合性の低い可能性のある非機能性ポリマーをステント表面に有した状態で残される。]
[0008] 再狭窄を抑制することを意図した薬物及び他の作用薬剤の血管送達は、更に、PTCAを行う前、間、又は後に、血管の治療された部分へ作用薬剤を注射する又は他の方法で注入する装置を使用しても遂行されている。被覆されたステントとは異なり、それらの装置は、治療された血管に物理的な支持を提供せずに、抗再狭窄作用薬剤を送達する。これらの装置の1つの欠点は、薬物が、組織壁内部の個別の目標場所に送達される点であり、これは、再狭窄を制限する薬物の効果を限定する可能性がある。]
[0009] このため、被覆されたステントは、PTCAの後に、広がった状態で血管の管腔を支持するものの、抗再狭窄作用薬剤を治療される血管の壁へ送達する能力が制限されている場合がある。従って、前述の及び他の不利点を克服する、血管疾患を治療するためのシステム及び方法を有することが望ましい。]
課題を解決するための手段

[0010] 本発明の1つの態様は、薬物送達エラストマ器具を製造するための方法である。この方法は、浸し塗りマンドレルの外面に下塗りを形成することと、下塗りの外面にタックコートを形成することと、形成されたタックコートの少なくとも一部分に複数の顆粒状粒子を配置することと、形成されたタックコートの外面に上塗りを形成することであって、配置された複数の顆粒状粒子がタックコートと上塗りの間に捕捉される上塗りを形成することと、上塗りの最外部分を取り除いて配置された顆粒状粒子の一部を露出させるたこと、との制限を含んでいる。]
[0011] 本発明の別の態様は、膨張管腔と、カテーテルに配置され且つ膨張管腔と流体連絡している薬物送達エラストマ器具と、薬物送達エラストマ器具の外層の内部に配置される複数の拡張可能な細孔と、複数の拡張可能な細孔の少なくとも一部の内部に配置される少なくとも1つの治療薬物と、を有するカテーテルを含む血管疾患を治療するためのシステムである。]
[0012] 本発明の前述の及び他の特徴及び利点は、現在における好適な実施形態に関する以下の詳細な説明から、添付の図面と関連させながら読むことで更に明白となる。詳細な説明及び図面は、制限を課すためではなく、本発明を単に説明するためのものであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその等価物によって定義される。]
図面の簡単な説明

[0013] 本発明による血管疾患を治療するためのシステムの1つの実施形態の図である。
本発明による薬物送達エラストマ器具を製造するためのシステムの1つの実施形態を示す。
本発明による薬物送達エラストマ器具の1つの実施形態用の製造ステップを簡略化して図示する。
本発明による薬物送達エラストマ器具の1つの実施形態の図である。
本発明による薬物送達エラストマ器具の別の実施形態用の製造ステップを簡略化して図示する。
本発明による血管疾患を治療するためのシステムの別の実施形態の図である。
本発明による血管疾患を治療するための薬物送達エラストマ器具を製造する方法の1つの実施形態のフローチャートである。]
実施例

[0014] 本発明の1つの態様は、血管疾患を治療するためのシステムである。本発明による、システムの1つの実施形態を図1に示す。当該システムは、カテーテル110と薬物送達エラストマ器具120を備えている。1つの実施形態では、薬物送達エラストマ器具120は、バルーンである。カテーテル110は、膨張管腔112を有している。1つの実施形態では、カテーテル110は、治療薬剤送達管腔114を含んでいる。薬物送達バルーン120は、近位端部分122と、遠位端部分124と、中心部分126と、を備えている。] 図1
[0015] カテーテル110は、薬物送達バルーンを血管内部の治療部位に送達するための当該技術分野で周知のどのようなカテーテルであってもよい。1つの実施形態では、カテーテル110は、経皮的冠動脈形成術(PTCA)用のバルーンカテーテルである。カテーテル110は、バルーン120を膨張させるために膨張管腔112を含んでいる。]
[0016] 薬物送達器具120は、弾性特性を有する任意の生体適合性ポリマー材料から形成されている。弾性材料は、例えば、シリコン、ポリウレタン、シス1、4ポリイソプレン、ポリビニル、ラテックスゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、SIBSエラストマー、SISエラストマー、及びそれらの組み合わせであってもよい。1つの実施形態では、バルーン120は、シリコンエラストマーから成る。別の実施形態では、バルーン120は、ウレタン/シリコンコポリマーから成る。]
[0017] 薬物送達バルーン120は、薬物送達バルーンの外面の少なくとも一部分の内部に配置されている複数の拡張可能な細孔140を含んでいる。拡張可能な細孔140の形成方法を下記でより詳細に論ずる。]
[0018] 治療薬剤150は、拡張可能な細孔140の内部に配置されている。治療薬剤は、例えば、抗腫瘍薬、抗増殖剤、抗生剤、抗血栓薬、抗凝固剤、抗血小板薬、抗炎症薬、上記の組み合わせ等を含んでいてもよい。治療薬剤150は、例えば、浸し塗り、吹き付け塗りなどを用いて拡張可能な細孔140の中に配置される。別の実施形態では、顆粒状治療薬剤150は、下記で詳細に論じられる、流動槽で拡張可能な細孔140の内部に配置される。]
[0019] 繊維素溶解剤、治療用タンパク質又はペプチド、組み換えDNA製品、又は他の生物活性剤を含む様々な他の治療薬剤、診断用薬、放射性同位体、又は放射線不透過性物質を、標的患者集団の期待される要求に応じて使用してもよい。治療薬剤150を含有する製剤は、効果的な投与量の治療薬剤を治療部位に送達するにあたって必要に応じ、溶媒類又は他の可溶化剤類、安定剤類、懸濁化剤類、酸化防止剤類、及び防腐剤類を含む賦形剤を更に含んでいてもよい。]
[0020] 1つの実施形態では、治療薬剤150は、例えば、パクリタキセル、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、サチリル酸、フルオシノロンアセトニド、コルチコステロイド類などの抗炎症剤及び他の薬物及びプロドラッグである。他の実施形態では、治療薬剤150は、例えば、ゾタロリムス、シロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、及び抗増殖作用を有する他の薬物などの抗増殖剤である。]
[0021] 図2及び図3を参照して、薬物送達エラストマ器具120の1つの実施形態の製造を説明する。図2は、薬物送達エラストマ器具120を製造するためのシステム200の1つの実施形態を図示している。図3は、ステップ300Aからステップ300Gまで、薬物送達エラストマ器具120を製造するための方法300の1つの実施形態を簡略化して図示している。薬物送達エラストマ器具120は、浸し塗り工程を用いてマンドレル210の上に形成される。マンドレル210は、薬物送達エラストマ器具120の寸法及び形状を有する外面を有している型である。薬物送達エラストマ器具120は、複数の層、即ち下塗り315と、下塗りの上に配置されるタックコート320と、タックコート320の上に配置される上塗り330と、を備えている。] 図2 図3
[0022] 下塗り315は、マンドレルを、弾性ポリマーを含んでいる液体下塗り媒体215の中へ浸すことによってマンドレル210の上に形成される(ステップ300A)。液体下塗り媒体215は、ラテックス又は有機溶剤中のポリマー溶液であってもよい。有機溶剤類は、例えば、エーテル類、アミン類、エステル類、又はアルコール類であってもよい。1つの実施形態では、液体下塗り媒体215は、シリコンとキシレンの溶液である。別の実施形態では、下塗り媒体215は、シリコンとヘキサンの溶液である。マンドレル210を液体下塗り媒体215の中へ浸し、間もなくしてマンドレルを引き出すと、マンドレルの外面を覆う液体媒体の塗膜が残る。下塗り315の厚さは、所望の厚さの下塗りを作り出すために、マンドレルを複数回浸し塗りすることによって増すことができる。弾性塗膜は、ポリマー材料の次の層の付着を可能にするために、それぞれの浸し塗りの間にマンドレルの上で部分的に硬化される。浸し塗りされたマンドレルは、高温で空気乾燥されても、又は硬化されてもよい。十分な付着力を提供するために、浸し塗りされたマンドレルを、浸し塗りの合間に空気乾燥させる又は硬化させる時間の長さは、ポリマーのタイプ、溶剤のタイプ、及び所望の粘度の程度などの要因に応じて決まる。1つの実施形態では、マンドレルは、浸し塗りの間に高温で1秒から60秒の間空気乾燥又は硬化される。別の実施形態では、浸し塗りされたマンドレルは、1分から3分の間空気乾燥又は硬化される。1つの実施形態では、浸し塗りされたマンドレルは、60°F(約16℃)と100°F(約38℃)の間の温度で空気乾燥又は硬化される。]
[0023] タックコート320は、下塗りが施されたマンドレルをタックコート溶液220の中へ浸すことによって下塗り315の外面に配置される(ステップ300B)。タックコート溶液220は、液体下塗り媒体よりも高い粘度を有する液体ポリマー媒体である。タックコート溶液の粘度は、溶液中の溶剤量で調整される。溶剤量を減らすと、より高い粘度の溶液になる。タックコート320は、下塗り315と同じ又は類似の弾性ポリマーから成っていてもよい。タックコートは、下塗り全体又はその何れかの部分に塗布されてもよい。1つの実施形態では、マンドレルをタックコート溶液の中へ浸す前に、下塗りの一部分は、マスキング処理が施される。下塗りされたマンドレルは、特定の用途に適合するようにマスキング処理を施されてもよい。1つの実施形態では、タックコートは、次のステップに進む前に、層の粘着性を高めるために部分的に空気乾燥又は硬化される。]
[0024] タックコート320を施されたマンドレル210は、その後、流動化粒子浴225に浸漬される(ステップ300C)。流動化粒子浴225は、空気又は他のガスを、粒子を可動性に保つために顆粒状粒子325の中を通り抜けさせる、通気浴である。1つの実施形態では、流動化粒子浴は、流動化塩浴である。1つの実施形態では、流動化粒子浴は、結晶塩化ナトリウムを含んでいる。顆粒状塩が好ましいが、流動化粒子浴225は、下記でより詳細に論じられるように、溶解性の何らかの粒子を含んでいてもよい。拡張可能な細孔140の大きさ及び形状は、流動化塩浴に含まれる顆粒状粒子の大きさ及び形状によって確定される。1つの実施形態では、拡張可能な細孔140は、流動化粒子の結晶構造の大きさ及び形状に対応した結晶の形をした細孔である。]
[0025] タックコート処理されたマンドレルが、粒子化塩の中に浸されると、塩粒子325は、その表面に付着する。タックコートに付着する顆粒状塩の量は、例えば、浸し技法、浸漬時間、タックコートの粘着性、塩を通過する風量、及び顆粒状粒子の大きさなどの要因に応じて決まる。流動化顆粒状塩粒子は、タックコートを施された部分に付着することができる。粒子は、例えば粒子を吹き付けるなど、他の方法を用いてタックコートの上に配置されてもよい。マスクは、存在する場合には、タックコートの塗布の後、又は顆粒状粒子の塗布の後で取り除くことができる。1つの実施形態では、剥がれそうな又は不十分な粘着性の付着粒子は、マンドレルが、流動化粒子浴から引き出された後で取り除かれてもよい。]
[0026] 次に(ステップ300D)、付着した粒子325を備えているマンドレル210は、上塗り330を形成するために上塗りポリマー溶液230の中へ浸される。上塗りポリマー溶液は、下塗り溶液215と同じ溶液であってもよい。他の実施形態では、上塗り溶液230は、下塗り溶液215とは異なるポリマーを含んでいる。上塗り330の塗布は、下塗り215の塗布と類似している又は同じである。上塗り330を塗布することで、粒子325をタックコート320と上塗り330の間で捕捉する。上塗り330の厚さは、浸し塗りと乾燥のサイクルを追加的に行うことによって増すことができる。マンドレル210は、所望の上塗りの厚さに達するまで、浸し塗りと部分的な硬化が施される。1つの実施形態では、上塗りは、一連の浸し塗りで塗布され、その結果、付着した塩粒子は、上塗りポリマーによって実質的に被覆されることになる。所望の厚さに達すれば、上塗りは、次のステップに進める前に完全に硬化されてもよい。1つの実施形態では、最終硬化は、45分の間、170°F(約77℃)で、加えて300°F(約149℃)で135分の間実施されるプラチナ硬化を含む。当業者であれば理解頂けるように、最終硬化は、同じ効果を得るために異なる時間と温度の組み合わせで実行されてもよい。例えば、最終硬化は、より長い時間の間、より低い温度で実行されてもよい。]
[0027] 複数の拡張可能な細孔140を形成するために、表面を破って埋め込まれた溶解性粒子を露出させる目的で、上塗りは、スクラビングされる又は他の方法でブラッシングされて上塗りの薄層を取り除く。露出されると、マンドレルは、浴235に設置され、拡張可能な細孔140を薬物送達エラストマ器具120の外面330の内部に残しながら、粒子335を溶解する(ステップ300E)。薬物送達エラストマ器具120は、その後、マンドレル210から取り外される。]
[0028] マンドレル210から取り外されると、形成された薬物送達エラストマ器具120の拡張可能な細孔140は、1つ又はそれより多くの治療薬剤150を充填することができる。細孔を充填するために、薬物送達エラストマ器具120は、孔140を広げて、拡張させるために膨張される(ステップ300F)。拡張されると、治療薬剤が塗布される。治療薬剤は、例えば、浸し塗り、吹き付け塗り、塗装、塗り付け塗装、ローラー塗装、プリント及びそれらの組み合わせなどの、技術的に周知の何らかの方法を用いて塗布されてもよい。1つの実施形態では、薬物送達エラストマ器具120は、治療薬剤150を充填する前に送達カテーテル110に固定される。別の実施形態では、薬物送達エラストマ器具120は、膨張マンドレルに固定され、治療薬剤150を充填され、膨張マンドレルから取り外され、送達カテーテル110に固定される。治療薬剤150が塗布されると、薬物送達エラストマ器具120は、収縮され、それによって細孔開口部を潰し、治療薬剤を拡張可能な細孔140の内部に捕捉する(ステップ300G)。]
[0029] 図4は、複数の拡張可能な細孔140の内部に捕捉された治療薬剤150を示している、収縮時の送達用の状態460と、細孔140の拡張と拡張された細孔から治療薬剤150を放出している様子を示している、拡張時の治療用の状態470と、の薬物送達エラストマ器具120の簡略図である。] 図4
[0030] 図5は、薬物送達エラストマ器具520を製造するための方法500の別の実施形態におけるステップ500Aから500Fの簡略図である。薬物送達エラストマ器具520を製造する方法は、上記で説明し、且つ図2及び図3で図示している薬物送達エラストマ器具120の製造と多くの点で類似している。薬物送達エラストマ器具520の形成は、マンドレルの上に下塗り515を形成することから始まる(ステップ500A)。下塗り515は、下地塗り315の構成に関して上記で説明したものと同じ又は類似の方法で形成される。次に、タックコート520は、下塗り515の上に配置される(ステップ500B)。タックコート520は、上記で説明したタックコート320と類似している又は同じである。] 図2 図3 図5
[0031] 次に、塗布されたタックコート520を備えたマンドレル210は、顆粒状治療薬剤550の流動化浴の中に浸漬される(ステップ500C)。治療薬剤550は、上記で記載したものの何れか1つ又は組み合わせであってもよい。タックコートの上に充填される治療薬剤の量は、顆粒大きさ、形状などの要因に応じて決めることができる。また、治療薬剤の量は、下塗りの一部分をマスキング処理し、それによってタックコートと、タックコートが施された装置に付着するであろうと予測される治療薬剤の量と、を制限することによっても調整することができる。]
[0032] 次に、上塗り530が、治療薬剤をタックコート520と上塗り530の間で捕捉するように塗布される(ステップ500D)。捕捉された治療薬剤550は、複数の拡張可能な細孔540を形成する。上塗り530は、上塗り320と同じである又は類似しており、上記で説明した、同じ方法で塗布される。上塗り530の塗布及び乾燥の後、薬物送達エラストマ器具520は、膨張され、上塗りは、表面を破り、捕捉した治療薬剤を露出させるためにスクラビング又は他の方法で処理される(ステップ500E)。薬物送達エラストマ器具520を収縮させることで、治療薬剤を薬物送達器具の内部に保持する(ステップ500F)。弾性薬物送達システム520は、膨張及びスクラビングのために、送達カテーテルに固定されてもよく、又は膨張及びスクラビングに適した別個の装置上で保持されてもよい。この事例では、スクラビングされ且つ収縮された薬物送達エラストマ器具520は、その後取り外され、送達器具に固定される。]
[0033] 本発明による、システムの別の実施形態を図6に示す。システム600は、カテーテル610と薬物送達エラストマ器具620を備えている。薬物送達エラストマ器具620は、ステント630の外面に配置されている。1つの実施形態では、ステント630は、バルーン660の上に配置されるバルーン拡張型ステントである。ステント630は、生体適合性金属材料又はポリマー材料又はその組み合わせから成っている。ステント630は、特有の用途に適切などのようなステントであってもよい。] 図6
[0034] この実施形態では、薬物送達エラストマ器具620は、拡張可能なシースである。拡張可能なシース620は、例えば、縫合、接着、溶接又はその組み合わせによってステント630に取り付けられる。1つの実施形態では、拡張可能なシース620は、ステント/移植片アッセンブリの移植片部分を備えている。]
[0035] 拡張可能なシース620は、複数の拡張可能な細孔640を含んでいる。拡張可能な細孔150は、その中に配置されている少なくとも1つの治療薬剤を含んでいる。1つの実施形態では、薬物送達エラストマ器具620の製造及び薬物充填は、薬物送達エラストマ器具120の製造及び薬物充填と同じである又は類似している。別の実施形態では、薬物送達エラストマ器具620の製造及び薬物充填は、薬物送達エラストマ器具520の製造及び薬物充填と同じである又は類似している。どちらの実施形態でも、浸し塗り工程で用いるマンドレルの形状は、本質的に管状の形状をしたエラストマ器具を形成するように構成されており、当該管状の形状をしたエラストマ器具は、追加的なステップで、端部が開口している管又は薄板に形成され、その後ステントの外面に取り付けられる。1つの実施形態では、エラストマ器具の端部は、端部が開口している円筒を形成するために取り除かれる。別の実施形態では、端部は取り除かれ、それによって形成された円筒は、ステントの周囲に巻き付けられる薄板を形成するために縦方向に分割される。]
[0036] 使用時には、治療部位でステントが拡張することで、薬物送達エラストマ器具620の拡張をもたらす。薬物送達エラストマ器具620を拡張すると、上記で説明したように、細孔640を拡張させ封入していた治療薬剤を放出させる。]
[0037] 別の実施形態では、ステント630は、自己拡張型ステントである。この実施形態では、システム600は、治療部位まで送達された時にステント630を拡張させるのに必ずしもバルーンを必要としない。]
[0038] 本発明の別の態様は、血管疾患を治療する方法である。図7は、本発明による方法700の1つの実施形態のフローチャートを示している。方法700は、701から始まる。] 図7
[0039] 膨張管腔を有する送達カテーテル110と、カテーテルに配置される薬物送達エラストマ器具120と、を備えているシステムが提供される(ブロック710)。薬物送達エラストマ器具120は、装置120の外面の内部に配置される複数の拡張可能な細孔140を含んでいる。少なくとも1つの治療薬剤150は、拡張可能な細孔の少なくとも一部の内部に充填される。]
[0040] カテーテルと薬物送達エラストマ器具は、治療用に特定された目標領域を含んでいる血管の中へ導入され(ブロック715)、目標領域に隣接した位置まで案内される(ブロック720)。薬物送達エラストマ器具が、適所に配置されると、薬物送達エラストマ器具は、膨張される(ブロック725)。]
[0041] 薬物送達エラストマ器具の膨張は、細孔140を拡張し、1つ又はそれ以上の治療薬剤150を放出する。細孔140の内部に配置される1つ又はそれ以上の治療薬剤150は、血管の目標領域の壁の中へ送達される(ブロック730)。]
[0042] 1つ又はそれ以上の治療薬剤が、血管壁に送達されると、薬物送達エラストマ器具は、収縮され(ブロック735)、システム及び薬物送達エラストマ器具は、血管から取り出される(ブロック740)。方法700は、745で終了する。]
[0043] 本明細書で開示する本発明の実施形態は、現在好適であると考えられているものであるが、本発明の精神及び範囲から逸脱すること無く、様々な変更及び修正を行うことが可能である。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に示され、等価物の意味及び領域の中で生じる全ての変更及び修正は、その中に包含されるよう意図されている。]
权利要求:

請求項1
薬物送達エラストマ器具を製造する方法であって、浸し塗りマンドレルの外面に下塗りを形成するステップと、前記下塗りの外面にタックコートを形成するステップと、前記形成されたタックコートの少なくとも一部分に複数の顆粒状粒子を配置するステップと、前記形成されたタックコートの外面に上塗りを形成するステップであって、前記配置された複数の顆粒状粒子が前記タックコートと前記上塗りの間で捕捉されるステップと、前記配置された顆粒状粒子の一部を露出させるために、前記上塗りの最外部分を取り除くステップと、を備えている、ことを特徴とする方法。
請求項2
前記露出された顆粒状粒子を備えた前記マンドレルを浴の中に設置するステップと、前記捕捉された顆粒状粒子を溶解するステップと、複数の拡張可能な細孔を形成するステップと、を更に備えている、請求項1に記載の方法。
請求項3
前記複数の拡張可能な細孔を有する前記薬物送達エラストマ器具を膨張するステップと、前記複数の拡張可能な細孔の少なくとも一部に少なくとも1つの治療薬剤を配置するステップと、前記少なくとも1つの治療薬剤を封入するために、前記薬物送達エラストマ器具を収縮するステップと、を更に備えている、請求項1に記載の方法。
請求項4
前記複数の顆粒状粒子は、少なくとも1つの治療薬剤を備えている、請求項1に記載の方法。
請求項5
前記少なくとも1つの治療薬剤は、抗腫瘍薬、抗増殖剤、抗生剤、抗血栓薬、抗凝固剤、抗血小板薬、抗炎症薬で構成される群から選択される、請求項4に記載の方法。
請求項6
前記抗炎症薬は、パクリタキセル、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、サチリル酸、フルオシノロンアセトニド、コルチコステロイド類で構成される群から選択される、請求項5に記載の方法。
請求項7
前記抗増殖剤は、ゾタロリムス、シロリムス、エベロリムス及びピメクロリムスで構成される群から選択される、請求項5に記載の方法。
請求項8
前記複数の顆粒状粒子は、塩を備えている、請求項1に記載の方法。
請求項9
血管疾患を治療するためのシステムであって、膨張管腔と、カテーテルに配置され且つ前記膨張管腔と流体連絡している薬物送達エラストマ器具と、を有しているカテーテルと、前記薬物送達エラストマ器具の外層の内部に配置される複数の拡張可能な細孔と、前記複数の拡張可能な細孔の少なくとも一部の内部に配置される少なくとも1つの治療薬剤と、を備えている、ことを特徴とするシステム。
請求項10
前記薬物送達エラストマ器具は、下塗りと、前記下塗りの外面に配置されるタックコートと、前記タックコートの上に配置される上塗りと、を備えている、請求項18に記載のシステム。
請求項11
前記複数の拡張可能な細孔は、結晶形を備えている、請求項1に記載のシステム。
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